お前なんか×××!!!
「うそつき」

「こんな時に嘘つけるかばか。昔からずっと好きだった。お前以外の女なんて、どうでもよかった。それなのに、お前はおれから逃げ出して…」

「あんたが私をいじめるから」

「好きなヤツは苛める質なんだよ」

「そんなのわかんないわよ」

「好きだよ、楓」

「私の告白遮ったくせに」

「告白は、男からするもんだろ?」

「クリスマスプレゼントなんか要求するし」

「俺の事しか考えなかっただろ?」

「私がどれだけ悩んだか知らないでしょ」



「楓、俺と結婚して。いや、するんだよ」

仁はおもむろにポケットから箱を出すと、それを開けた。

ダイヤのついた綺麗な指輪。

左の薬指にぴったりだった。


「勝手に決めんな」

泣きながら言う。

「泣いちゃうくらい俺の事好きなんだろ?」

「そうよ、悪い?」

憎まれ口を叩きあい、また仁は私にキスをした。

「その抱き枕、よく見てよ。大事になんか抱いてるでしょ?」

「え?…これ、三神からじゃ」

勘違いされた紙袋。

「それが、本当のプレゼント」

その中身は、腕時計。


「格好いいデザイン」
「仁に似合うと思って…この前、壊れたって言って困ってたでしょ?」

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