お前なんか×××!!!
二日目、俺の話を聞いた楓から、表情は消え、何も言わずに帰っていった。

嫌われた。…仕方がない。

忘れてるからって嘘はつけない。

俺は憂鬱なまま、登校した。

…楓とは、同じクラス。

席は、二人とも一番後ろの端と端。

窓際の席に座った俺は、楓を見ることもなく、耳にイヤホンを付け、静かに音楽を聴いた。

曲が終わり、一瞬静かになった。

その時だった。隣の席のやつが来て、座ったので挨拶する。

「おはよ、」
「…おはよ、寺崎君」

…その声に驚いて横を見た。

甘いラブソングが耳に響く。

横に座ったのは、いつものやつじゃない。

「どうして」
「○×△□…」

音楽で声が聞こえない。

俺はイヤホンを外してもう一度問いかけた。

「どうして?お前の席はそこじゃないだろ?」
「うん」

そう言って、笑顔になったのは楓だった。

「席もどれって」
「いいの、代わってもらったから」

「何バカなこと言って」
「…昨日、私が聞いたことは、やっぱり何も思い出さないの。だから、一から寺崎君と仲良くなろうと思って」

「は?」
「あ、先生来たよ。静かにしないと怒られる」
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