お前なんか×××!!!
…放課後。

俺は盛大に困っていた。…どうしてかって?

「…おい、楓」
「何?」

俺は足を止めて、楓を見下ろす。とても困った顔で。

楓はなんで、そんな顔になっているのかわかってないって顔だ。

「どうして、手、繋いでんの?」
「…ダメ?」

「…ダメ?って…ダメじゃないけど、カレカノでもないのに、これは流石にマズイだろ?」

「なんで?」
「なんで?って」

「好きな子でもいるの?」
「いや、…いない」

しりすぼみになる。

当たり前だろ?何年楓に片想いしてると思ってんだ!と、叫んでやりたくなる。

「じゃあいいじゃん」

そう言うと、俺の手を引っ張って、歩き始めてしまった。

見たことのない楓の言動にどぎまぎさせられっぱなしだ。

…でも、嬉しくて仕方ない。

…このままずっと、思い出さなくてもいいなんて、思ってしまう。
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