お前なんか×××!!!
家の近くに差し掛かったところで、突然走り出した楓。

「なんだよ、突然」
「ほら、見てみて!可愛い子猫」

楓の家の植木の下で、可愛らしい白い子猫が鳴いている。だが、どこを見渡しても親猫は見当たらない。

楓は俺から手を離すと、直ぐ様子猫を抱き上げて、よしよしする。

すると子猫は、楓の手にすり寄った。

本当に可愛い子猫。

俺もそっとその子猫を撫でた。が。


子猫は少し怒った。

…でも、相変わらず楓には甘えている。

「…クスッ。仁みたい」
「…え?」

今、仁って言った?

「この子、うちで飼えないかな」
「おばさんたち、猫好きだから、大丈夫そうだけど。一緒にお願いしようか?」

俺の申し出に、楓は笑顔で頷いた。
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