お前なんか×××!!!
職員室に用事で入った俺は、楓に返すノートを預かって教室に戻った。

…すると、教室では、楓がとても仲良さそうに、一人の男子と話をしていた。

端から見たら、まるでカレカノのようで。

ノートを握りしめた時だった。

楓が俺に気がついて、声をかけてきた。

「寺崎君!」
「…」

…隣にいた男子に睨まれたのが直ぐにわかった。

…コイツ、楓が好きなのか。

俺は、さっさと楓にノートを渡すと、ドカッと自分の席について、イヤホンを耳につけると、うつ伏せになった。

俺の態度の豹変に、楓はオロオロしているようだったが、その男子が自分の方に気をそらした。

…それから二日間、そんな二人を見ていたくなくて、とことん避けた。

楓は、俺に何度も話しかけようとしたが、そいつに阻まれ、話なんて出来なかった。

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