お前なんか×××!!!
私とコイツは、他人よ、他人。

そう自分に言い聞かせ、ひたすら飲んで食べて。

酒が弱い事を知ってる友美が心配して、止めに入ったが遅かった。

お開きする頃には、かなり酔っていた。

「楓、大丈夫?」
「大丈夫に決まってんでしょお。友美ちゃーん」

「うわっ。ヤバいはこれ、楓、私んち行こう。家近いから。」

「えー、マジで?嬉しいー」

可愛くふにゃあっと笑いながら、友美に抱きついた。

が。

引き剥がされた。

「何すんのよ!…寺崎君!」
「ざけんな、酔っぱらい。友美ちゃん、コイツ、俺と同じ方向だから、タクシーで連れて帰るわ」

「でも、途中で寝ちゃうよ?その子、酔っぱらうと、すぐ寝ちゃうのよ」

「叩き起こす」
「え、ちょ、寺崎?」

仁を静止させるも、すり抜けると、私を抱え、道端へ。タクシーを停める。


「寺崎、楓ちゃんに対して当たりがキツすぎだ。俺が送るよ」

そう言ったのは、三神君。

私はバタバタと暴れたが、直ぐに寝始める。

それに気づいた仁は、フッと笑う。

「コイツは三神には扱えねぇ」

そう言うと、さっさとタクシーに乗り込んで行ってしまった。

その場に取り残された友美と三神君。

「寺崎って、楓の事、好きなのかな」
「は?」

「ってか、三神も、楓の事、好きなの?」
「…」

何も言わない三神君。でも、その顔は、ほんのり赤くなってたりして。


「ふーん、ま、いいけどさ。楓と寺崎ってなんか怪しいのよね。盗られないうちに、どうにかしなさいよ、イケメン君。私は帰るから」

バイバイと手を降ると、友美は帰っていった。

三神君はしばらく、タクシーが向かった方向を見つめていた。
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