届かない想い・愛される喜び
家に帰ると
パパもママもいて
「花恋、おかえりなさい。
あら、イーサン、いらっしゃい。」
「・・ただいま」
「こんばんは。」
と、二人で中にはいると
ニヤニヤしながらパパが
「花恋、おかえり
イーサン、どうした?
ん? やっとか?」
「 ん?パパ、ただいま」
「和真さん、真理亜さん
こんばんは。
実は、やっと。」
「あはは、そうか、そうか
まあ、座って。」
と、言われ
パパの座る前に
私は、イーサンに手を繋がれて
腰かけると
ママがお茶を運んでくれて
パパの横に腰かけた。
すると、イーサンが
「和真さん、真理亜さん
やっと、やっと、カレンに
OKをもらいました。
恋人で終わるつもりはなく
結婚を踏まえての
付き合いをカレンに伝えました。
お許しを頂けますか?」
と、言うと
パパとママは、顔を見合わせてから
「花恋が、幸せになるなら。」
と、ママ。
「イーサン。
泣かせるような事をしたら、
わかっているよな。」
と、パパは真面目な顔で言うと
「誓って。」
と、イーサンも答えた。
そこで、私は疑問に思っていたことを
「パパもママも、驚かないけど
知っていたの?」
「うん?花恋がイーサンを
受け入れたことをか?」
「ちがう!!」
「イーサンが、花恋に
気があることか?」
「・・・・もぅ‥‥」
「あら、有名な話よ。
プレイボーイのイーサン・ベネットが
一目惚れした女の子に
相手にされていないとね。」
「‥‥‥‥うそっ?!‥‥‥」
と、イーサンをみると
罰の悪そうな顔をしていた。
「うそじゃないんだ。
あのコンテストの後
イーサンから、直ぐに聞いていたんだ
それから、
ずっと、相手にされていないことも。
それで、
花恋の中に誰かいるんじゃないか
とも聞かれてな。」
と、パパ。
びっくりして、イーサンをみると
真面目な顔をして
「カレンの中に誰かがいて
忘れられなくても、俺は負けない。」
と、言ってくれたから
「・・・・ありがとうっ・・
‥‥でも、もう大丈夫だよ。」
と、言うと
イーサンは、優しく私の頭を撫でてくれた。
そんな二人を、和真と真理亜は
微笑みながら見ていた。