彼・・・私の天使。
充実した時間

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 翌朝。さぁ仕事するわよって、何そんなに張り切ってるんだか。
 二店舗回って忙しい時間には、お客様のお相手も。美味しいって言ってもらえるのが一番嬉しい。お客様の幸せそうな顔を見るのが大好き。
 なんだかんだ言っても向いてるのかしら、この仕事。

 きょうは元気に働けた。お疲れさま。
 お店を閉めて片付けも終わってスタッフが心地良い疲れと共に帰って行く。
 みんなが居てくれるから、お店も成り立ってる。私一人では何も出来ない。気持ち良く働いてくれている事に感謝してる。

 父の代から居るマネージャー。もう六十歳を過ぎているけれど元気に働いてくれている。家の店には定年はない。本人に決めてもらう事にしてる。


 人間は百二十歳まで本来は生きられるんだそう。平均寿命だって女は八十五歳くらいだったかしら。
 大変だ。まだ半分も生きてない。あと四十五年間、気が遠くなる時間をどうして過ごしていこうか。

 いざ、お迎えが来た時に良い人生だったと後悔せずに私という存在にサヨナラ出来るんだろうか? 
 次の新たな人生を始めるポイントを自分自身が最大限に祝福してあげたい。
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