彼・・・私の天使。
2
「ん……。私、眠っちゃってた……」
「うん。可愛い顔して眠ってたよ。初めてデートした時の寝顔を思い出した」
「あの時は私、酔ってたのよね」
「昨夜は僕が眠っちゃったから……。今から続きね」
優しいキスから始まって丁寧に体の全てを愛された。私は、しばらく動けないでいた。それほど天使に愛されて……。
「大丈夫?」
髪を撫でられた。
「ううん。大丈夫じゃない。私じゃなかったみたい」
「素敵だったよ。すごくキレイで。もうあなたから離れられないよ。誰にも渡せない。僕のもの」
肩にキスされた。
「次に、いつ会えるのか分からないから、あなたの全てを覚えておくね」
「私も」
そのまま彼と私は、お互いの温もりから離れられないでいた。
「今、何時かしら?」
「外がまだ明るいから、お昼かな」
「お腹、空いたんじゃない?」
「そういえば一度聴こうと思ってたんだけど、何が一番好きなの? 食べ物。熱出した時、買い物に行っても何が好きなのか分からなくて」
「イチゴ買って来てくれた時?」
「うん。食欲なくても、これなら食べられるってもの何?」
「そうねぇ。お鮨かな?」
「えっ? お鮨なの? レストランのオーナーが?」
「おかしい? お鮨なら熱があっても二日酔いでも大丈夫よ」
「今から食べに行こうか? 何か僕も食べたくなって来た」
「近くに美味しいお鮨屋さんあるけど二人で行くのはマズイでしょ? そうだ。出前してもらえばいいんじゃない。一人前じゃ申し訳なくてしてもらったことなかったけど」
「一緒に、お鮨屋さん行きたいのに……」
「またいつかね。出前でいい?」
「しょうがないよね。いいよ」
「携帯は? テーブルの上だっけ」
黒のカットソーのワンピースを着ようとしたら
「そのままでいいのに」
「出前には若い男の子が来るんですけど。いいの?」
「絶対、ダメ!!」
私は笑ってしまって止まらなかった。