彼・・・私の天使。
シャンパンで乾杯

1


 携帯のアラームを五時半にして鳴る前のバイブで目が覚めた。
 そういえば天使がシャワーを浴びている間に眠ったんだ。
 でも私は天使の腕の中に納まってる……。私だけの癒しの空間。安心して全てをあずけられる。

 昨夜は彼の真剣な気持ちを知って泣いてしまった。ご両親の温かい愛情を注がれて育ってきた彼は人よりもたくさんの愛を持っている気がする。

 良く眠っている天使を起こさないように、そっと腕の中から抜け出した。コーヒーを入れて野菜と玉子のイングリッシュマフィン。六時になって天使を起こして

「おはよう」

 半分寝惚けてる彼に危うくベッドに逆戻りさせられそうになったけど……。

「遅れるわよ」

 無理やり起きてもらって二人で朝食。

「大丈夫? 疲れてるように見えるけど……」

「うん。大丈夫だよ。舞台は、あと六日で終わるし。そうしたら、とりあえずドラマだけになるし。頑張る」



 そして天使にとって初舞台となった公演も最終日。ドラマの撮影と掛け持ちで朝方近くマンションに帰って、お昼前には劇場に入る。そんなハードだった日々も終わる。
 私は最終日は仕事だから観には行けないけれど。


 お店も忙しい時間
 ……今頃、最後の舞台。

 お店が終わって  
 ……舞台もフィナーレ。

 マンションに帰る頃には 
 ……打ち上げで盛り上がってるのかな。

 食事もシャワーも済んで 
 ……初舞台、お疲れさま。

 私は明日は定休日。  
 ……天使はドラマの撮影かな?
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