【超短編】壁
そして、現在、高校3年生。


君にはまた、新しい彼氏がいる。


一個上の先輩。


今は遠距離で、君は先輩を追いかけて、希望校をその地域にすると言っていた。


本当に馬鹿な奴だよ。


昔なら、男に負けまいと片意地張っていた女が、今は、結婚の約束をしている訳でもないのに、愛しい男のために、自分の進路を決めるなんて。


もう、頭の中に大洪水が起こるような、混乱はないけど、やっぱり辛いんだ。


年も明けようとしていた頃、二人で願書を提出に行った。


ここまで続いた腐れ縁も、ここでおしまい。


僕は地元、彼女は彼を追って都会へ行ってしまう。


多分、彼女は頭の中を、彼の事でいっぱいにしているだろう。




隣に居るはずなのに、やたら距離が遠い気がした。



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