【超短編】壁
―02―
初めて、君を女の子なんだなって実感したのは、小学校6年生の時。


教育実習生の、大学生がうちの教室に現れた時だった。


教室に入るなり、女子からため息が漏れるくらい、高い身長によく似合った細めのスーツ姿。


何よりも、当時人気の俳優にそっくりの顔が目についた。


女子は、一瞬で虜だろうが、男子からしてみれば、やっぱりおもしろくない。


君は、胸が痛いと言う理由でサッカーを辞めていたとはいえ、男の子っぽいスタイルは変わっていなくて、髪も短いままだったし、スカートだってはいていなかった。


だから、他の男子同様に、つきあっていた僕は、「いけすかねぇ奴。」と伝えたくて、君の方を見た。


衝撃が走った。



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