上司との同居は婚約破棄から
「どう?納得してくれた?」
会議が終わり、職場に戻ろうとしているところで声をかけられた。
それはあの「今さら?」と、言った女性。
「もちろんです。
素晴らしい内容でした。
私の理想そのものを具現化してくださっていて……。」
女性はフフッと軽やかに笑った。
「あなたのお陰よ。
あなたも自分の意見からこのくらいの代替え案を出せるともっといいと思うわ。
今回は私が手柄を全面的にもらっちゃったもの。」
そう言って彼女は去っていった。
自分の意見から……。
私は自分の意見は大したことないって、間違っていると、はなから自分のことを信じてさえいなかった。
私は………。
「お疲れ。
何をボケッとしてる。
仕事はまだまだ山積みだぞ。」
高宮課長に頭を小突かれて我に返る。
問題山積みはこっちのことでも、、だよ。
しかも問題の張本人………。
会議室のドアを閉めようとドアを開けて待ってくれている高宮課長の元に駆け寄る。
首元がチリチリと熱く焼けるような思いがした。