上司との同居は婚約破棄から
ひどい会話なのに笑えてしまってクスクスと声が漏れた。
そんな私に相反して斜め向かいからは溜息が漏れた。
「………悪い。
茶化すにはまだ早かったな。」
大きな手が伸びて頭を二、三度撫でてくれた。
だから優しくされた方が逆効果なのに。
高宮課長の方を見てみても視線は逸らしていて手だけこっちに伸ばしている。
その姿が優しくしてる自分を直視できないみたいに思えてまた笑えてしまった。
ただ壊れた涙腺のせいで泣き笑いになってしまったけれど。
ヒリヒリと痛い頬は連日の涙でやられていて、けれどそこまで胸が痛くないのは、高宮課長が言うように誰かと一緒に食事をとっているからかもしれない。