上司との同居は婚約破棄から
私が勤めているのは商業施設プロデュース業のプラシデス社。
商業施設を建てようと思い立つところから、運用していくところまで。
全てに関わる仕事をしている。
そして我が社を上げて取り組もうとしている大きなプロジェクトがある。
今、話題になっている埋め立て地の開発。
その中に大型商業施設も建設予定に上がっているのだ。
その建設に先立って調査や企画を我が社が受け持つことになった。
「商業施設のコンセプトに関連付けてプロジェクト名は夢日和だそうだ。
今日はプロジェクト夢日和のメンバーを発表する。」
仕事はプロジェクトメンバーに入る以外にも色々あって、、といってもその他は主に雑用だけれど、その雑用を受け持つのが一般事務で入社した私の仕事。
だからプロジェクトメンバーの発表は私には遠い世界の話くらいに関係ない発表で、上の空でぼんやりしていた。
「内田藤花。おい。内田。聞いてるか。」
「えっ、はい。なんでしょう。」
「内田もプロジェクト夢日和のメンバーだ。
しっかりやれよ。」
「え、は?え?」
寝耳に水とはまさにこのことで、戸惑う私を置き去りに「来週から本格始動する。気を引き締めて取り組むように」と昼礼は解散となっていた。