上司との同居は婚約破棄から

「でもさ。実際のところ。」

 佳乃ちゃんが楽しいものを見つけたみたいな顔をさせて、内緒話をするみたいに手を口元に当てると声を落として顔を近づけた。

 私達2人もそれに倣って顔を寄せる。

「高宮課長と暮らすようになって藤花ちゃん、元気になってきてる。
 腐ってもイケメンだから近くにいると潤うのかな。」

「ハハッ。」

「何、その乾いた笑い。」

「だって。佳乃ちゃんのご期待に沿えるようなラブは起きそうにないんだもの。」

「えー。つまんない。」

 不服そうな佳乃ちゃんにプッと吹き出した。

「何よ〜。笑わなくてもいいじゃない。」

「だって〜。」

「でも、、笑うくらい元気になったんなら、鬼上司も結構やるわね。」

「そうだよ〜。鬼ぶりを聞いてよ〜。」

 新しいプロジェクトに入れられたこととか、変わらず今も怒られてること。
 向かいの席に座ろうとしたら「視界が煩わしい」と言われたことを話した。

 後は料理が上手で毎日のように絶品なご飯をいただいていることも話して盛り上がった。

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