上司との同居は婚約破棄から
菊池さん夫婦の家には現地集合にしてもらった。
2人で歩いているところを会社の人に見つかって何か言われることはもちろん、しらふで高宮課長と雑談するイメージが湧かなかったというのが本当の理由。
マンションでは、、必要事項を言えば終了。
会話をする機会があるのは食事の時なのだけど、必要事項を言った時点でたいていは高宮課長が食べ終わっている為、彼は食器を洗い始める。
その後はお風呂か、自室に行ってしまう高宮課長に対して、私はそのくらいの時間に食べ終わり、自分で食器を洗う。
高宮課長は私のことを信用していないのは身をもって実感している。
「私が洗っておきますよ?」
その一言に「ありがとう」が言えないのだ。
きっと本来は私になんて洗わせたくないことまで垣間見えるほど私のことは信用していない。
だから無理矢理気味に自分の分だけでもと洗わせてもらっている。