上司との同居は婚約破棄から
「ここ……は。」
着いた先は工事現場だった。
柵があり『危険!』と書かれた看板が掲げられている。
「仮にもプロジェクトメンバーなんだ。
担当する商業施設がどこに建つのか、現在がどういう状態なのかくらいは知っておくんだな。」
じゃここがプロジェクト夢日和……。
ニュースでも散々取り上げられているけれど、それは未来の構想だったり、もっと綺麗な映像。
実際は海沿いの吹きっさらしな場所。
柵に囲まれて忙しなく工事車両が行き来する。
埋め立てられた土地で遠く離れているはずの潮風が吹き荒れて体感温度を下げる。
「行こう。
ここじゃアンケートを取れる相手もいない。」