上司との同居は婚約破棄から
「内田が素っ頓狂なことを言って周りをかき回す様に感心することもある。
自信を持ち過ぎてもらっても困るが発言はしろ。
黙ってては会議に参加する意義がない。」
感心することもあるってほとんどは呆れてるくせに。
そう思うのに、あの高宮課長に認められたような気持ちになって気持ちは上向いていく。
「それと、なかなか言う機会がないから公私混同は目をつぶってもらいたい。
夕食、助かっている。
ありがとな。」
突然のお礼に目を丸くして隣の高宮課長を仰ぎ見る。
いつもの厳しい横顔と変わらない。
整った顔立ちがただでさえ冷たい表情を余計に冷酷に見せて……。
私は目を逸らして「いえ。こちらこそ住まわせてもらって、ありがとうございます」と今さらながらのお礼を口にした。