上司との同居は婚約破棄から
疲れてたのかなぁ。
パンツを握り締めてるなんて変なところを見られた上に、寝顔まで見られるなんて……。
時間差で顔が熱くなって深いため息を吐く。
これ以上、醜態を晒す前にお風呂に入って寝てしまおう。
ベッドにしばらく突っ伏して気持ちを落ち着けようにもどうにかなりそうもない。
ここは熱い湯船に浸かって気持ちもさっぱりさせよう。
気持ちを新たにして着替えを手に階段を降りていく。
高宮課長の姿はなく、着替えの為に自室へ行ったようだ。
堅苦しいスーツのままだったし。
帰ってきてリビングで人が横たわっていたら、何よりも先に歩み寄るよね……。
ここでの暮らしにも慣れてきて気が緩んでたなぁ。
反省を浮かべながら脱衣所の扉を開けた。
顔を上げ、一瞬で状況を把握すると声を上げた。
「キャッ!ご、ごめんなさい!!!」
開けかけた扉を慌てて締めても後の祭り。
だって向こうも驚いた顔をしていて、バッチリと目が合ってしまったのだから。
自室へ行ったとばかり思っていた高宮課長が脱衣所でシャツをはだけさせ、今にもズボンのベルトに手をかけて………。