上司との同居は婚約破棄から
「昨日、高宮課長は酩酊されていて、私を『みー』という方と間違えてキスをされました。」
「あぁ。それは、悪かった。」
胸がキリキリと痛んだけれど話を先に進めた。
「それで、たくさんキスをして、部屋へ行きました。
お互いに温もりが欲しかったのか、その、今となっては上手く説明が出来ないんですけど、肌に触れたくて全部服を脱ぎました。」
「あぁ。」
「それで、その、あとは今日みたいな感じです。
それで、、途中で高宮課長は私の腕の中で眠ってしまって。」
「そう。そっか。良かった。」
心底安堵する姿に複雑な思いだった。
これで「責任を!」なんて言えなくなってしまう。
「で、どうして婚約までしてたのに、純潔を守っていたのか。
それも、嫌じゃなかったら話してくれないか。」
柔らかで優しい声色になった高宮課長の腕の中で、ここまで話してしまったのだからと腹をくくって話すことにした。