あなたは私の太陽だった
『一年C組』と書かれた看板のおいてある教室の目の前まで来ると、教室の中は活気で溢れていた。

みんな友達と同じクラスになったりして喜んでいる声。
前後の席同士で喋っている声や、黒板に貼ってあるクラス名簿を見て話す声。

私がそんなことを考えていると楓くんが、私に

「ほら!ヒナ!入るぞ!」

「う、うん!」

私たちが教室に入った途端、さっきの正門のところと同じような光景が広がった。
「おー。トップ4!」
「うちのクラスなんだー!」

とざわついていると、楓くんがあるものを見つけた。

そして私たちにそれを指して言った

「おい。見ろよあれ!」

楓くんが指さす先にある黒板に

『席はとりあえず自由席です!好きなように座ってていいよ。担任の林道より』

と書かれていた。

「近く座ろうぜ」

「どこにする?」

「んー。」

すると私にひまちゃんが聞いてきた。
「ヒナどこがいい?」

「ん・・・・・。私はできれば窓側がいいな。」

「んじゃ!そこにすっか。」

私たちは一列目と二列目の窓側の席をとった。

私の隣が楓くんで、私の後ろの席が雅くんとひまちゃん。

横で、楓くんが聞いてきた。

「ヒナ!」

「何?楓くん。」

「病気のこと先生に言ってあんの?」

「うん。楓くんのお母さん達が言ってくれたよ」

「なら良かった。」

私の両親が他界した頃からいつも、楓くんや、ひまちゃん、雅くんのお母さんやお父さんは私のことを気遣ってくれる。

私の病気の通院、たまには夜ご飯とかもご馳走してくれる。

本当にありがたい。

すると、教室のドアが開いて、先生が入ってきた。教壇に上がって

「みなさん!おはようございます!この度、一年C組の担任になりました。林道亜衣です。2年生くらいの人達には馴れ馴れしく『亜衣ちゃん先生』って呼ばれてます。別にクラスではどんな呼び方でも構わないから好きに呼んでください。それと、私のどうでもいいプライベートな質問とかは一時間目の学活の時間に自己紹介を一人一人しますので、そん時に聞いてください。ちなみに私は体育担当の教師ですのでよろしく!じゃあ、十分後に一時間目始まるから、机には筆記用具と・・・・・ファイルくらい置いといてね!じゃあ、ホームルーム終了!」

見た目からして体育系の先生だが明るい性格のようでよかった。

林道先生は、一旦教室から出ていくと、みんな騒ぎたした。

ひまちゃんも後ろから
「ねーねー!今年の先生アタリかもね」

「だね。」

続けて雅くんも言った。
「たしかに面白そうな先生だよね」
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