微笑みの下の隠しきれない想い~アナタは渡さない~
「いつものお礼と初めて作ってくれたケーキが
おいしかったから合わせてこれをやる。
直々に注文したんだ。ずっとつけてろよ。」
そうぶっきらぼうに言いながら
首にかけてくれたのは宝石が2粒、
雫のように形の光るネックレス
つけてることを忘れてしまいそうな軽さ
だけどしっかり主張する輝き
「こんな高価なお返しをもらえるような
豪華なものは作っていません!
さすがにもらうことはできません。」
すごくきれいで私の瞳の色のオリーブ色と
王子の瞳の色の海のような青がくっついた
ネックレス、、、
この国の貴族の間ではお互いの
瞳の色の宝石がついた指輪をする
という習慣が700年も昔からある。
小さな頃から憧れたこの習慣の
簡略的なものだとしても好きな人からもらえると
は思っていなかったから
天にも登れそうな喜びがわきあがる
けれども王子から直接こんな高価なものを
受けとることはできない
私は家のものであり、仕事に対する報酬も充分
過ぎるほどもらっているからだ。