微笑みの下の隠しきれない想い~アナタは渡さない~
「お帰り、シェリー。遅かったな。
お、なんかいいことでもあったのか?」


そんなに顔に出してしまったのか、、、


「実は王子がケーキを食べると言ってくれて、、、」


言ってる自分が信じられない


いつもお菓子を持っていく私の方を鋭い目で


見ていたのは自分も食べたかったからだったなんて


「そうか!ずっと気にしていたもんな。
頑張れよ。何ケーキを作るんだ?」


「チーズケーキです。ザザさん、明日石釜オーブンを
使ってもいいですか?」


これが使えないとケーキが作れない


もちろん、失敗するわけにもいかない


「ああ!もちろんだ。応援してるからな、俺は。」


ザザさんはいつもそう言って応援してくれるけど


私の気持ちが通じる日など来ないだろう


「、ありがとうございます、、、
でも私が諦めきれずにいるだけなので、、、」


「俺の見立てじゃあそんなことないと思うぜ?」


ザザさんの優しさだとしても


信じてみたくなってしまう、、、


「モテモテのザザさんが言うならまだほんの少し
勝算はあるんですかね?」


本当にそうならばどんなに嬉しいことか、、、


「まあまあ人生の先輩を信じてこれを実行して
みろって。ちょっと耳貸せ。」
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