キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
「あのね」
やおらカップをテーブルに置いた睦月さんが、あたしを見つめて穏やかに笑んだ。
「利津子ちゃんはお兄さんが亡くなって、きっとずっと、保護者の彼にも迷惑とか心配かけないように、一生けんめい頑張ってきたんだと思うのね。でもちょっと頑張りすぎてるみたい。私には、利津子ちゃんが擦り切れちゃいそうに見える。だから今日は我慢しなくていいから、ここで思い切り泣いちゃいなさい。私で良かったら、話くらい聞くから」
まるで。本物のお姉さんが妹を諭すみたいに。
柔らかく弧を描いた眸は、慈しみに溢れてて。
あたしを分かってくれてるって。
そう思ったら、なんだかもう。
堪えられなくて、何かの栓が壊れた。
見張った目の奥から熱いものが込み上げてきて、一気に溢れ出す。
後から後から、止めどなく。流れ落ちる。
「・・・ッ、・・・っっ」
くぐもった声が勝手に漏れて、顔が大きく歪む。
どうしてだろう。まだ知り合って、それほど親密でもなかったのに。
温かくて。許されてる気がして。
子供みたいに涙をぽろぽろ零し、嗚咽して肩を震わせた。
「辛かったんでしょう・・・? ずっと泣きそうな顔、してたものね」
睦月さんがそう言った時。
もっと堰が切れた。
顔を覆い、声を上げて泣き出したあたしの背中を、あやすようにさすり続けてくれた掌の温もりが。優しすぎて。
これでもかってくらい。・・・泣いた。
やおらカップをテーブルに置いた睦月さんが、あたしを見つめて穏やかに笑んだ。
「利津子ちゃんはお兄さんが亡くなって、きっとずっと、保護者の彼にも迷惑とか心配かけないように、一生けんめい頑張ってきたんだと思うのね。でもちょっと頑張りすぎてるみたい。私には、利津子ちゃんが擦り切れちゃいそうに見える。だから今日は我慢しなくていいから、ここで思い切り泣いちゃいなさい。私で良かったら、話くらい聞くから」
まるで。本物のお姉さんが妹を諭すみたいに。
柔らかく弧を描いた眸は、慈しみに溢れてて。
あたしを分かってくれてるって。
そう思ったら、なんだかもう。
堪えられなくて、何かの栓が壊れた。
見張った目の奥から熱いものが込み上げてきて、一気に溢れ出す。
後から後から、止めどなく。流れ落ちる。
「・・・ッ、・・・っっ」
くぐもった声が勝手に漏れて、顔が大きく歪む。
どうしてだろう。まだ知り合って、それほど親密でもなかったのに。
温かくて。許されてる気がして。
子供みたいに涙をぽろぽろ零し、嗚咽して肩を震わせた。
「辛かったんでしょう・・・? ずっと泣きそうな顔、してたものね」
睦月さんがそう言った時。
もっと堰が切れた。
顔を覆い、声を上げて泣き出したあたしの背中を、あやすようにさすり続けてくれた掌の温もりが。優しすぎて。
これでもかってくらい。・・・泣いた。