キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
式とかドレスとか、形に囚われるつもりも最初からなかった。
ミチルさんには心に決めた人がいるし、あたし達の結婚はずっと一緒にいる為の『約束』だから。誓うのは、それぞれの胸の中でいい。お兄ちゃんに顔向けができるように。
今日は二人とも法事の名目で仕事を休み、市役所に婚姻届けを提出して、その足でお兄ちゃんに会いに行く。
明日、出社したら苗字が変わってるんだから、倉田店長ビックリだよね。
睦月さんと保科さんには、実は婚姻届けの保証人をお願いした。
あたしには思い当たる人がいなかったし、お願いしようと切り出したのはミチルさんの方だった。
彼との関係性を打ち明けてた分、睦月さんは少しだけ複雑そうな表情で。
それでも祝福の微笑みと一緒に、保証人の署名を引き受けてくれた。
『利律子ちゃんを幸せにしてあげて下さい』
ミチルさんへ贈った彼女の言葉に、なんだか。くすぐったいような、泣きたくなるような、切ない気持ちになって胸が詰まった。
婚姻届けを書いた時も、自分の家族のことに一切触れようとしなかったミチルさんは。
報告や承諾は要らないのかと、戸惑いの視線を向けたあたしに。
『・・・昔から、自分のことは自分で決めてきたからね』
淡く微笑んで見せただけだった。
ミチルさんには心に決めた人がいるし、あたし達の結婚はずっと一緒にいる為の『約束』だから。誓うのは、それぞれの胸の中でいい。お兄ちゃんに顔向けができるように。
今日は二人とも法事の名目で仕事を休み、市役所に婚姻届けを提出して、その足でお兄ちゃんに会いに行く。
明日、出社したら苗字が変わってるんだから、倉田店長ビックリだよね。
睦月さんと保科さんには、実は婚姻届けの保証人をお願いした。
あたしには思い当たる人がいなかったし、お願いしようと切り出したのはミチルさんの方だった。
彼との関係性を打ち明けてた分、睦月さんは少しだけ複雑そうな表情で。
それでも祝福の微笑みと一緒に、保証人の署名を引き受けてくれた。
『利律子ちゃんを幸せにしてあげて下さい』
ミチルさんへ贈った彼女の言葉に、なんだか。くすぐったいような、泣きたくなるような、切ない気持ちになって胸が詰まった。
婚姻届けを書いた時も、自分の家族のことに一切触れようとしなかったミチルさんは。
報告や承諾は要らないのかと、戸惑いの視線を向けたあたしに。
『・・・昔から、自分のことは自分で決めてきたからね』
淡く微笑んで見せただけだった。