キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
真実を追求したら、どこに堕ちるの。

知らないまま、鳥籠の楽園にいる方がシアワセなの?

ミチルさんは。

どっちを望んでるの。

あたしは。

どうしたいの。



心臓のもっと奥がぎゅっと。何かに圧し潰されたみたいに。
全身を色んなモノが駆け巡って、頭の中がグルグル掻き回される。


ねぇ、お兄ちゃん。
あたしは、何が本当でもどれがウソでも。
ミチルさんが悲しくないのがいいなぁ。
ミチルさんが辛そうに笑うのは、見たくないなぁ・・・・・・。


お兄ちゃんとミチルさんの背中だけ傷だらけにするのは、もうヤだよ。



胸の内で大きく息を吐く。

開かずの扉の前で膝を抱え込んでたのを。
顔を上げ、ゆっくり立ち上がった。
扉に向かい合って腕を伸ばす。
固く閉ざされて、びくともしなくて。
懸命に押し開こうと、力の全てを籠める。

力尽きても、どんな傷を負っても。
あたしには叶えたい望みがある。

お兄ちゃん。
だから行くね。


今度こそ、扉の向こうへ。


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