キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
2-2
年が明けて二日目。人混みを覚悟で、この辺りで一番大きい神社にミチルさんと初詣に出かけた。
参道を挟んで、両脇に露店がずらりと並び、お参りに向かう人波と美味しそうな匂いに足を止める人波とで、ごった返してる。
「すごい人だね、相変わらず」
「文化っていうよりイベントだよねー」
迷子になるからって手を繋がれて歩きながら、そう言うあたしも興味を引かれる露店に目をキョロキョロさせてた。
「ねぇ、ミチルさん。お兄ちゃんにもナンか買ってく?」
「隆弘なら、やっぱり焼きそばって言いそうかな」
あたりより頭ふたつ分近くは背が高いミチルさんが、こっちを見下ろしてクスクスと笑う。
紺のチェスターコート、首許には赤いマフラー、グレーのスキニーパンツにレザーシューズってカジュアルな恰好の彼。
スーツでも、パジャマでも、何を着てても似合う人なのはよーく知ってる。
ナチュラルにセットされた髪が余計に、気取りのない自然体のイケメン度合いを引き上げてるし。もうね、注目の的です。
「りっちゃん、ベビーカステラ食べる?」
「ほら、あんず飴あるよ?」
ミチルさんがにっこり微笑み、露店を覗くだけで、周囲を巻き込んでそこだけ満開のお花畑と化してた。そして、いかにも溺愛されてる風なあたしがガン見されるっていうのも、いつものお約束。
ええもう、好きに見てってください。お代はタダですから!
参道を挟んで、両脇に露店がずらりと並び、お参りに向かう人波と美味しそうな匂いに足を止める人波とで、ごった返してる。
「すごい人だね、相変わらず」
「文化っていうよりイベントだよねー」
迷子になるからって手を繋がれて歩きながら、そう言うあたしも興味を引かれる露店に目をキョロキョロさせてた。
「ねぇ、ミチルさん。お兄ちゃんにもナンか買ってく?」
「隆弘なら、やっぱり焼きそばって言いそうかな」
あたりより頭ふたつ分近くは背が高いミチルさんが、こっちを見下ろしてクスクスと笑う。
紺のチェスターコート、首許には赤いマフラー、グレーのスキニーパンツにレザーシューズってカジュアルな恰好の彼。
スーツでも、パジャマでも、何を着てても似合う人なのはよーく知ってる。
ナチュラルにセットされた髪が余計に、気取りのない自然体のイケメン度合いを引き上げてるし。もうね、注目の的です。
「りっちゃん、ベビーカステラ食べる?」
「ほら、あんず飴あるよ?」
ミチルさんがにっこり微笑み、露店を覗くだけで、周囲を巻き込んでそこだけ満開のお花畑と化してた。そして、いかにも溺愛されてる風なあたしがガン見されるっていうのも、いつものお約束。
ええもう、好きに見てってください。お代はタダですから!