キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
やんわりした微笑みに、そっか、って素直に納得。
確かに、雰囲気のある人だった。でもお兄ちゃんとミチルさんの友達なら、あんまり気にならないな、って。こういうアバウトさは、お兄ちゃん譲りかも知れない。

「それより、これからどうしようか。せっかくだし、初売りセールでも行ってみる?」

駐車場に着き、キーレスで車のロックを外したミチルさんがにっこり笑った。

「行く!」

即答。さすが、バーゲンて言葉に弱い女心をよく分かっていらっしゃるー。

一番近い大型のショッピングモールをカーナビで検索すると、ミチルさんは霊園を出て、さっくり車を走らせ始めたのだった。




追記。この日のバーゲンの戦利品は。半額になったお気に入りブランドのブーツと、フード付きのハーフコート。
どっちも『お年玉』だって言って、ミチルさんが買ってくれた。

お兄ちゃんだってここまで甘やかさない。・・・嬉しいような、困ったような。
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