キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
3-3
連れて来てくれたのは予告どおりに、カニ会席の料亭風レストラン。
竹林に囲まれた風情ある佇まいで、こんな普段着みたい恰好で場違いじゃないかと少し焦った。

案内された席は個室タイプで、気兼ねなくリラックスして美味しいカニに舌鼓を打つあたし。

「甘くて、ふわっふわ~っっ」

カニしゃぶがもう絶品! 蕩けそうな顔で食べてたら、向かいの淳人さんが目を細めて淡く笑う。
なんか、このひとの笑顔って色気を含んでて。ミチルさんとは違うカッコよさに直視しづらい。


淳人さんが、お兄ちゃんが死んでからの、あたしとミチルさんの二人暮らしの様子を訊いたり、あたしがお兄ちゃんの思い出を訊いたり。和やかな空気の中、二人で色々な話をした。

ミチルさん以外の男の人と、こんなにお喋りしたのも久しぶりな気がする。
お兄ちゃんと共通の友達っていうのもあるかも知れないけど、不思議と気が置けなくて。楽しいって。思った。

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