キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
平日の昼間ってこともあって、座席にも空きがあるぐらい閑散とした車内は、車輪が回る重厚な摩擦音だけが切れ間なく。
リズムが次第に変調して、アナウンスが流れた。・・・次だ。
待ち兼ねたように、ホームに到着したドアの外へと抜け出す。
北口の出口に向かって、階段を慎重に駆け降りた。ロータリーを見渡したけど、それっぽい車は見当たらない。向こうからも目に入りやすそうな場所に立ち、視線を流しながらミチルさんを待つ。
手袋をした指先と、ブーツの爪先がじんと冷えるのを堪えること10分。
たぶんアレかな、って見覚えある形の車がロータリーに入ってきた。
期待と緊張でドキドキしてるあたしの前に停まった車の、助手席側から恐る恐る中を覗き込めば、運転席の超イケメンさんが微笑み返してくれた。
「お待たせ、りっちゃん。寒かったでしょ」
乗り込んだら、ごめんね、って申し訳なさそうな顔。
「ぜんぜん!」
さっきまで冷凍マグロの気分だったくせに、元気よく笑えちゃうって。
どんな解凍魔法だろね。恋って。
リズムが次第に変調して、アナウンスが流れた。・・・次だ。
待ち兼ねたように、ホームに到着したドアの外へと抜け出す。
北口の出口に向かって、階段を慎重に駆け降りた。ロータリーを見渡したけど、それっぽい車は見当たらない。向こうからも目に入りやすそうな場所に立ち、視線を流しながらミチルさんを待つ。
手袋をした指先と、ブーツの爪先がじんと冷えるのを堪えること10分。
たぶんアレかな、って見覚えある形の車がロータリーに入ってきた。
期待と緊張でドキドキしてるあたしの前に停まった車の、助手席側から恐る恐る中を覗き込めば、運転席の超イケメンさんが微笑み返してくれた。
「お待たせ、りっちゃん。寒かったでしょ」
乗り込んだら、ごめんね、って申し訳なさそうな顔。
「ぜんぜん!」
さっきまで冷凍マグロの気分だったくせに、元気よく笑えちゃうって。
どんな解凍魔法だろね。恋って。