キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
その日は一日、ミスした自分に落ち込んで。表面は失敗を繰り返さない前向きな姿勢で、電話の対応も普段以上に丁寧に。
夕方になって戻った羽鳥さんは、とっくにそんなことは気にしてない様子で、変わらない爽やかな笑顔で別の仕事を頼んできた。・・・ほっとして掬われた。
退社時間になって、吉井さんと一緒に会社を出る。
二月も終わりに近づいてるけど、まだまだ寒さが緩む気配もない。
そんなことを話しながら駅に向かう。
改札の前で、ここで別れる彼女と『お疲れさま』の挨拶をした。
「じゃあ、吉井さん。すみませんが明日、明後日って連休なのでお願いします」
「あ、・・・うん。ゆっくり休んでね」
「はい。失礼します」
笑みを浮かべ、踵を返そうとして。
「志室さん!」
不意に呼び止められた。
「良かったら珈琲を一杯つき合ってもらえない? 美味しいお店、知ってるの」
包み込むような柔らかい微笑みが、戸惑いながらもあたしの足を釘付けにしたのだった。
夕方になって戻った羽鳥さんは、とっくにそんなことは気にしてない様子で、変わらない爽やかな笑顔で別の仕事を頼んできた。・・・ほっとして掬われた。
退社時間になって、吉井さんと一緒に会社を出る。
二月も終わりに近づいてるけど、まだまだ寒さが緩む気配もない。
そんなことを話しながら駅に向かう。
改札の前で、ここで別れる彼女と『お疲れさま』の挨拶をした。
「じゃあ、吉井さん。すみませんが明日、明後日って連休なのでお願いします」
「あ、・・・うん。ゆっくり休んでね」
「はい。失礼します」
笑みを浮かべ、踵を返そうとして。
「志室さん!」
不意に呼び止められた。
「良かったら珈琲を一杯つき合ってもらえない? 美味しいお店、知ってるの」
包み込むような柔らかい微笑みが、戸惑いながらもあたしの足を釘付けにしたのだった。