キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
もしかして、自分を選ばないのを分かってて羽鳥さんは、睦月さんを好きなのかな。
保科さんがエスプレッソマシンで淹れてくれたラテの、クリーミィなほろ苦さを味わいながら、ふと。
三人はそれを、お互いに赦してるカンケイ・・・?
思いが巡ったけど、敢えて打ち消した。あたしが踏み込んでいい領域じゃない。想い方はそれぞれだからきっと。


ミチルさんの顔が。瞼の裏をそっと過ぎる。


彼の想いは。あたしの想いは。
嘘だけが降り積もる。

どんどん降り積もって、何もかも見えなくなって。
永遠に熔けなくなる。

二人を覆い尽くして。
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