ビロードの背中

「・・・たぶん異常な関係だから、刺激が強いのかもしれないね。」

「異常な関係――?」


「・・・俺、本当に彼女分かんないの。

姉さんは俺に何でも話してくれる。

それが嬉しいし、喜怒哀楽が素直で、よく分かっていいでしょ。

でも、彼女はさ・・・。」



考え込むように黙る。


「・・俺、しゃべりすぎだな。」


彼は続けて2本目のタバコに火をつけた。


「お姉さんは大人よ。大丈夫、続けて。

お酒のせい、お酒のせい。」


・・・彼は今まで、ナツホとの心の中を誰にも話せずに来たのだろう・・・。


< 102 / 201 >

この作品をシェア

pagetop