ビロードの背中
「・・・たぶん異常な関係だから、刺激が強いのかもしれないね。」
「異常な関係――?」
「・・・俺、本当に彼女分かんないの。
姉さんは俺に何でも話してくれる。
それが嬉しいし、喜怒哀楽が素直で、よく分かっていいでしょ。
でも、彼女はさ・・・。」
考え込むように黙る。
「・・俺、しゃべりすぎだな。」
彼は続けて2本目のタバコに火をつけた。
「お姉さんは大人よ。大丈夫、続けて。
お酒のせい、お酒のせい。」
・・・彼は今まで、ナツホとの心の中を誰にも話せずに来たのだろう・・・。