ビロードの背中
「無くなってないじゃない。社員じゃないけど、

俺と飲みに行ったりしてるじゃない。」


“――そうだ!

みんながうらやましがるような青年と一緒だった。”



「あっ、そうだった・・・。

――私、なんでも勉強して努力すればって・・・。

でも、セックスは別。

 セックスは一人じゃ無理なの。

勉強する事はできても、パートナーがいなきゃダメなの。


だから・・・

だから今でも・・、ヴァージン。」



ここまで話すと緊張が解けたのか、涙があふれボロボロと流れた。



「どうして頑張れなかったんだろ。

あなたとのあの日も――。」



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