ビロードの背中
私の答えを待たずに彼が立ち上がった。

私も慌てて立ち上がろうとすると、


「姉さん、30分先に寝かせて。

一緒に部屋に行ったら、俺、もう無理。」



彼は就寝準備もすばやく床についた――。






『私との関係を大事に思う・・・。』


私はぼんやりと、彼の部屋に行った日の事を思い出していた。

あの日の彼は今でも正直怖かった。

・・・そして、そう遠くない日に・・・。




< 116 / 201 >

この作品をシェア

pagetop