ビロードの背中
時計を見ると2:40をさしていた。

隣の部屋へのふすまを開けると、奥の布団で彼が背を向けて寝ていた。

近づいて覗き込むと、白い首筋にいたずらしたくなった。

左の耳からアゴに向かって、人差し指と中指でそっとなでてみた。

「ウッ・・。」

と息の漏れるような声を出した。

起こしたのかとあわてたが、そのまま寝息をたてていた。



私も布団に入り、目を閉じた。

“セックスの時、男性って声が出るのかなぁ・・・。”

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