ビロードの背中
夕方、携帯のメールを確認すると彼からのメッセージが届いていた。

<金曜日の夜、俺の家に来るか?>

夜、家に帰ってから返信する事にした。




帰宅できたのは、23:20だった。

彼もバイトから帰宅しているだろう。


すぐお風呂に入り、ビールを飲みながら携帯の彼のメールを読み返した。

何度読んでも同じ。

後は返信するだけ・・・。



2週間後だった新大型プロジェクトが、来週の半ばからと繰り上げ発表があった。

そしてこの企画のサブチーフに抜擢された。


チーフに39歳の男性社員の若いプロジェクトチームだった。

そのサブチーフは念願のポジションだった。


嬉しい。

・・しかし、しばらく彼とは会えなくなる。

残業続きで、帰宅は深夜になることも多いだろう。

『その後、俺と姉さんはどうなる?』

彼の言葉を思い出した。

“『その後』か・・・。”



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