ビロードの背中
―― 私は、彼が可愛い。

それは、一緒に歩くだけで皆に羨ましがられるような美青年だから。

聞き上手で、疲れた私の心を癒してくれるから。

どんな状態の私をも優しく受け入れてくれて、否定しないから。

ナツホより私のほうがホッとすると言ってくれたから・・・。



私は今までナツホに勝ちたかった。

若さも、男性に対する考え方も、女としても、いつも劣等感がつきまとった。


でも、劣等感の最大の源、ロストヴァージンできれば負ける気がしない。


それも目前。

私の答え一つ・・・。


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