ビロードの背中
「――係長、

帰らないんですか?

今日は新プロジェクト前のオアシスだって、みんな早帰りしてますよ!

・・・つーか、机の上、きれいですけど。」


ホッとさせられる。

後ろから聞こえてきたのは松永の声だ。

振り返って応える。

「松永、夕飯おごる。付き合って。」

「え~、週末ですよ!

私、デートなんですけど・・・。」

“週末デートな女が、係長の様子を気にして話しかけたりしないでしょ。”


< 128 / 201 >

この作品をシェア

pagetop