ビロードの背中
私たちは会社を出て、近くのイタリアンレストランに寄った。

サラダとグレープフルーツジュースしか頼まない私を松永が心配する。

「姉さん、本当に体調不良なんだ・・。」

「・・・ねえ。

松永って、何歳になった?」

「今年31歳になりましたよ。

 ――主任にもなれてないけど。」

「・・ロストヴァージンていつ?」

「――はぁ?

う~ん、大学2年ですから、20歳か。」

「相手の名前とか、顔とか・・・覚えてる?」

「そりゃ覚えてますよ。」

「どんなだったか覚えてる?」

「あぁ、それは覚えてないですね。

あっ姉さん、チェリー君とチャンスありってヤツですか?

・・・まさか、高校生?!」

「ばか。犯罪でしょ。」








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