ビロードの背中
土曜日、昼食くらいの時間を狙い出かけた。

彼の家の前に着いたのが11:30。


久しぶりの彼にドキドキする。

手が震えながらドアチャイムを押した。


ドアが、開く――。







――出てきたのは、背の高いモデルのような女性だった。


部屋を間違えたのだと思い、表札を確認した。


・・彼の名前だ。



「・・・あ、アイツの彼女?

ごめんね、忘れ物取りに来て。

――私、関係ないから。」


一方的に話して慌てて部屋から出て行こうとする。



「私も彼女じゃないわ。友達かな。

あなた・・・ナツホさん?」


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