ビロードの背中
出せるだけの大声を出した。

怖くてほとんど声になってなかったかもしれない。

彼の口唇と、右手が止まった。

「私・・・初めてなの。」

「・・・えっ?!」

彼の口唇と、右手が離れた・・。


――そう。

・・・私は34歳にして、ヴァージンなのだ。

しかもあと1ヶ月で35歳。


”間に合うかも。”は、

”34歳でロストヴァージンできるかも!”って思ったから。

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