ビロードの背中
ナツホは風のように店を出て行った。

テーブルには舞台のチラシが残っていた・・・。

時計を見ると2時間30分経っていた。

ほとんど彼女一人で話していた。




コーヒーのおかわりを店員が聞きに来た。

いただく事にした、3杯目のコーヒー・・・。




“『背中の傷』か・・・。

自分だってキスマーク、2回もつけてるくせに。”



2人は口調やしぐさが良く似ているところがあった。

きっと二人は少ない一緒の時間を静かに仲良く過ごしていたに違いない。

私が二人を別れさせてしまった・・・。



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