ビロードの背中
「姉さんが惚れるんだから、いい男なんだろうね。

・・・とりあえず、おめでとう。」


私のジュースのグラスに、軽くビールジョッキをぶつける。

そして、納得できないような表情をしている。



「・・ありがとう。

・・・でも、今でもあなたの存在は大きいわ。」



―― 本音だ。


住吉とは全く違った魅力に心が揺れる。




タバコやジョッキに彼の口唇が触れるのを見ただけで

キスしたくなる・・・。


「――ナツホさんとは?」



ナツホとは会っていないと知っていたけど、彼の口から聞きたかった。


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