ビロードの背中
「その男、いいなぁ。

俺も姉さんとしたいな・・・。」



「・・・私も。」


・・・本音だ。


ナツホの話を聞いてから、さらに彼を知りたくなった。


彼から目が離せなかった。

時間にするとほんの数秒だと思うけど、長い時間に感じられた。




彼の真顔が笑顔になる。


「――もうっ、そんな目しないでよ。

俺、子供なんだから本気にするよ。」 


“彼に『本気よ。』と言ったら、

私たちはどうなるのだろう・・・。”




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