ビロードの背中
帰り始めた道。

夜なお賑わうこの街・・・。

金曜日という事もあり、ポツポツとではあったが、人の姿があった。



「・・姉さんのマンションまで、送らせて。」


送ってもらう事にする。


どちらからともなく、手をつなぐ・・・。








――マンションに着く。

「・・部屋の前まで、送ってもいい?」

私はうなずいた。

――部屋の前に着く。

「・・鍵、開けて。」


鍵を開け、玄関に入った。

彼も入り、ドアを閉めた。


彼は玄関の壁に私を立たせて、両手で囲む。



「――キス、しようよ。」
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