ビロードの背中
ベッドに入る前、またビールを1本開けた。



“私は、住吉と結婚する。


彼には、私でもナツホでもない人が現れる。


その人は、彼の白く長い首にキスマークを。


ビロードの背中に傷を。


そして彼から、全身にたっぷりのキスを――。


その人は、彼の全てを独り占めする。




・・・それは、誰?

・・・誰にも渡したくない。

 手を伸ばせば、私のもの。




でも私は、住吉と結婚する――。“


振り出しに戻る。



< 197 / 201 >

この作品をシェア

pagetop