ビロードの背中
私はバッグを持って大急ぎで玄関に向かい、部屋を出た。

「―― ちょっと待って。送っていく。」

私は振り返って、真夜中なのに叫んだ。



「送ってほしくない。


・・・これ以上、惨めにしないで!」







――いつも、ここで失敗する。


こういうことは、何度かあった。



 ・・・でも。

いつも私の理想とする、私の描くロストヴァージンとは全く違う展開が。



特に今回のは、ひどすぎる・・・。




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