ビロードの背中
彼は、普段から大きな声を出す人ではない。


だから、よほど心配していたのが伝わってきた。


私は彼と仲直り、というか話し合いたいと思って来たのに、

彼の様子が私の

”私が悪いの?”

という気持ちに火をつけた。



「・・人をレイプしようとして、何エバってるのよ。」

いつの間にか彼の友人が訪ねて来たらしく、私の後ろに立っていた。

「――レイプ?

お前なら、やるな。」


友人は、彼の目をチラッと見ると冗談口調で言った。


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